電気工事士 受験の手引き

「電気工事士」とは?

電気工事士法によって、電気工事は原則として、電気工事士の免状を持つ者でない限り行なってはいけない、と定められています。一般用電気工作物の工事作業および500kW未満の自家用電気工作物の工事作業が対象となっています。なお、500kW以上の自家用電気工作物については対象外となっています。「一般用電気工作物の工事作業」とは、一般住宅や小規模な店舗、事務所などのように、電力会社から低圧(600V以下)の電圧で受電する場所の配線や電気設備などの電気工作物(一般用電気工作物)を設置しまたは変更する工事の作業のことです。

作業に従事できる電気工作物の範囲

自家用電気講座苦物で最大電力500キロワット未満の需要設備(工場、ビル等の電気設備) 一般用電気工作物
(住宅、小規模な店舗等の電気設備)
第二種電気工事士
第一種電気工事士

資格取得までのフローチャート

資格取得までの大まかな流れを確認していきます。
各詳細については、該当する項目をご覧下さい。
学歴などによる筆記試験免除者や、他資格の免状取得者や試験合格者は除いています。詳細については(一財)電気技術者試験センターにお問い合わせ下さい。

第二種電気工事士・第一種電気工事士 資格取得までのフローチャート

受験資格

一種・二種どちらにも、学歴、年齢、性別、実務経験などの制限はありません。
(ただし一種の免状取得には、所定の実務経験または別の資格と実務経験が必要です)

試験についてのお問合せ先

一般財団法人
電気技術者試験センター

〒104-8584
東京都中央区八丁堀2-9-1
RBM東八重洲ビル8階

試験に関するお問合せ
TEL:03-3552-7691 / FAX:03-3552-7847
E-mail:info@shiken.or.jp
※問い合せ時間 平日9:00~17:15

第二種電気工事士

受験申込の受付期間

例年上期:3月中旬~4月上旬、下期:7月上旬~下旬 ※上期・下期、両方の申込ができます。
(郵便受付またはインターネット受付)
※インターネット受付は、郵便受付よりも受付期間が長く設定されています。

「受験案内書」は例年上期:3月上旬ごろから下期:6月上旬ごろから配布
※配布場所等については、(一財)電気技術者試験センターにお問い合わせ下さい。
URL:http://www.shiken.or.jp/qa.html

受験手数料

  • 払込取扱票(郵便局)による申込み: 9,600円
  • インターネットによる申込み: 9,300円

試験日時

受験申請の際に、上期・下期のどちらかを選択します(両方を受験することができます)。

試験種別 試験日 試験時間
上期試験 下期試験
筆記試験 6月上旬 10月上旬 2時間
技能試験 7月下旬 12月上旬 40分間前後

試験の科目・範囲

(1)筆記試験(全50問、一般問題30問、配線図20問、四肢択一)
  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  4. 電気工事の施工方法
  5. 一般用電気工作物の検査方法
  6. 配線図
  7. 一般用電気工作物の保安に関する法令
(2)技能試験

筆記試験の合格者と筆記試験免除者に対して、次に掲げる事項の全部又は一部について行います。

  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器及び配線器具の設置
  4. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
  8. 一般用電気工作物の検査
  9. 一般用電気工作物の故障箇所の修理

※ 受験案内またはインターネットで技能試験候補問題として12~13問の配線図が事前に公表され、その中から試験問題が出題されます。

試験形式

試験の種別 試験方法
筆記試験 筆記試験科目について、一般問題、配線図の記号等を四肢択一方式によりマークシートで解答する方法で行う。
技能試験 持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法で行う。

※電卓及び計算尺は使用できません。
電動工具以外の全ての工具を使用することができますが、下記の作業用工具は最低限必要工具として持参することが求められます。

ペンチ、ドライバ(プラス、マイナス)、ナイフ、スケール、ウオータポンププライヤ、リングスリーブ用圧着工具(JIS適合品)

筆記試験の免除について

次のいずれかに該当する方は、申請により筆記試験が免除になります。

  • 前年度の筆記試験合格者
  • 高等学校・実業学校等で所定の電気工学の課程を修めて卒業した者
  • 電気主任技術者(電験:一種・二種・三種)の免状取得者

詳細については、(一財)電気技術者試験センター配布の「受験案内書」をご覧下さい。

第一種電気工事士

受験申込の受付期間

例年6月中旬~下旬(郵便受付またはインターネット受付)
※インターネット受付は、郵便受付よりも受付期間が長く設定されています。

「受験案内書」は例年6月上旬ごろから配布
※配布場所等については、(一財)電気技術者試験センターにお問い合わせ下さい。
URL:http://www.shiken.or.jp/qa.html

受験手数料

  • 払込取扱票(郵便局)による申込み: 11,300円
  • インターネットによる申込み: 10,900円

試験日時(平成30年度)

試験種別 試験日
筆記試験 10月上旬
技能試験 12月上旬

試験の科目・範囲

(1)筆記試験(全50問、一般問題40問、配線図問題10問)

次に掲げる内容について試験を行い、解答方式はマークシートに記入する四肢択一方式です。

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気応用
  4. 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
  5. 電気工事の施工方法
  6. 自家用電気工作物の検査方法
  7. 配線図
  8. 発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
  9. 一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令
(2)技能試験
  • 筆記試験の合格者と筆記試験免除者に対して行います。
  • 持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で一定時間内(例年60分程度)に完成させる方式です。
  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
  4. 電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
  8. 自家用電気工作物の検査
  9. 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

※技能試験で従来実施されていた「等価実技試験」は平成17年度より廃止され、その内容は鑑別・選別・施工方式として、筆記試験に盛り込まれるようになりました。

筆記試験の免除について

次のいずれかに該当する方は、申請により筆記試験が免除になります。

  • 前年度の筆記試験合格者
  • 電気主任技術者(電験:一種・二種・三種)の免状取得者
  • 旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の資格を有する者

(注):第一種電気工事士試験は学校卒業による筆記試験の免除はありません。

詳細については、(一財)電気技術者試験センター配布の「受験案内書」をご覧下さい。

第一種電気工事士の免状取得方法

(1)第一種電気工事士試験合格者

第一種電気工事士試験合格者は、電気工事士法に定められた、実務経験として認められる業務に決められた期間従事した場合、申請により第一種電気工事士免状を取得できます。

免状取得に必要な実務経験期間
  1. 大学・高専において電気工事士法で定める過程を修めて卒業した方:3年以上
  2. その他の方:5年以上

上記いずれの場合も、試験合格以前の実務経験も対象となります。
合格時にすでに上記の実務経験を満たしていれば、すぐにでも申請することができます。

(2)他の免状取得者または試験合格者

第一種電気工事士試験合格以外の方でも、次に該当する方は、電気工事士法に基づき都道府県知事に申請することにより、第一種電気工事士免状が取得できます。

  1. 電気主任技術者免状所得者で、取得後実務経験5年以上の方
  2. 高圧電気工事技術者試験合格者で、実務経験3年以上の方

なお、実務経験についての詳細は、都道府県庁の電気工事士担当窓口にお問い合わせ下さい。

資格取得の概要

第一種電気工事士
更新 断りのないものは平成30年の情報
区分 国家資格
電気工事士法【経済産業省】
資格の概要
  • 一般用電気工作物(住宅・小規模店舗・事務所など),自家用電気工作物(中小ビル・工場など)のうち,最大電力500kW(キロワット)未満の需要設備(例外あり)の電気工事の作業に従事できます。
  • 許可主任技術者の対象となります。
受験資格 制限はない
(免状の取得には,所定の実務経験または別の資格と実務経験が必要)
受験者数
(平成29年度)
*筆記試験:38,427
*技能試験:24,188
合格率
(平成29年度)
*筆記試験:47.0
*技能試験:63.5
試験の概要
  • 筆記試験は次の9科目
    (1)電気に関する基礎理論
    (2)配電理論及び配線設計
    (3)電気応用
    (4)電気機器,蓄電池,配線器具,電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
    (5)電気工事の施工方法
    (6)自家用電気工作物の検査方法
    (7)配線図
    (8)発電施設,送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
    (9)一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令
  • 技能試験は,受験者が持参した作業用工具により,配線図で与えられた問題を,支給される材料で一定時間内に完成させる。
  • 筆記試験は四肢択一,技能試験は技能評価。
願書提出 6月中旬~下旬
試験実施 *筆記試験:10月上旬
*技能試験:12月上旬
<試験地:各都道府県に設置>
合格発表 *筆記試験:11月上旬頃
*技能試験:翌年1月中旬頃・11月上旬頃(筆記試験免除者)
受験料 11,300円
(インターネット受付は10,900円)
特記事項 電気主任技術者免状の交付を受けている方,または前回の筆記試験に合格した方は,筆記試験が免除になります(要免除申請)。
問合せ先 (一財)電気技術者試験センター
〒104-8584 東京都中央区八丁堀2-9-1 RBM東八重洲ビル8階
Tel. 03-3552-7691(受験に関するお問い合わせ)
URL http://www.shiken.or.jp/
各地の同センター支部
第二種電気工事士
更新 断りのないものは平成30年の情報
区分 国家資格
電気工事士法【経済産業省】
資格の概要
  • 一般用電気工作物(住宅・小規模店舗・事務所など)のうち,電力会社から600V(ボルト)以下の電圧で受電する場所の電気工事の作業に従事できます。
  • 実務経験または講習で,認定電気工事従事者の資格を得ることができます。
受験資格 制限はない
受験者数
(平成29年度)
*筆記試験:【上期】71,646名 【下期】40,733名
*技能試験:【上期】55,660名 【下期】25,696名
合格率
(平成29年度)
*筆記試験:【上期】61.0% 【下期】55.6% 
*技能試験:【上期】71.3% 【下期】63.4%  
試験の概要
  • 筆記試験は次の7科目
    (1)電気に関する基礎理論
    (2)配電理論及び配線設計
    (3)電気機器,配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
    (4)電気工事の施工方法
    (5)一般用電気工作物の検査方法
    (6)配線図
    (7)一般用電気工作物の保安に関する法令
  • 技能試験は,受験者が持参した作業用工具により,配線図で与えられた問題を,支給される材料で一定時間内に完成させる。
  • 筆記試験は四肢択一,技能試験は技能評価。
願書提出 上期:3月中旬~4月上旬
下期:7月上旬~下旬
(下記の筆記試験免除者は8月下旬~9月中旬)
※上期・下期、両方の申込ができます。
試験実施 【上期】*筆記試験:6月上旬
     *技能試験:7月下旬
<試験地:各都道府県ごとに設置>
【下期】*筆記試験:10月上旬
     *技能試験:12月上旬
<試験地:各都道府県ごとに設置>
合格発表 *筆記試験:試験実施の約1ヶ月後
*技能試験:試験実施の1~2ヶ月後
受験料 9,600円
(インターネット受付は9,300円)
特記事項 電気主任技術者免状の交付を受けている方,前回の筆記試験に合格した方,または高校以上の学校で電気工学の課程を修めて卒業した方は,筆記試験が免除になります(要免除申請)。
問合せ先 (一財)電気技術者試験センター
〒104-8584 東京都中央区八丁堀2-9-1 RBM東八重洲ビル8階
Tel. 03-3552-7691(受験に関するお問い合わせ)
URL http://www.shiken.or.jp/
各地の同センター支部

関連講座一覧