プレス加工法

一般受講料: 24,200 円

特別受講料: 22,000 円

講座コード:P23

受講期間:4ヶ月

難易度:中級レベル

なぜプレス加工について学ぶ必要があると思いますか?

この講座には、プレス加工を学ぶ理由があります!

自動車のボディパネル、家電製品のケース、食器などの台所用品、半導体のリードフレームまで、私たちの身近な製品は、プレス加工によって作られています。プレス加工ということ自体は、私たちの身近にあるようなことではありませんが、プレス加工によって作られる製品は、身近なものばかりです。

このように考えると、プレス加工という作業は、今の生活との関係を断ち切ることができないほど重要なものです。今後、プレス加工についてはますます重要度が増してくることと思います。

プレス加工が重要なのは事実ですが、専門的な知識をお持ちの方は少ないと思います。だからこそ、プレス加工についての専門的な知識を持つことは様々な場面で有利になるのです。

本講座では、プレス機械、金型、材料などの基礎的事項から、種々のプレス加工の具体的内容やプレス作業の詳細、 最近のプレス加工の自動化技術までを理解することができます。最終的には、プレス技能に必要なひと通りの知識が身につき、 工場における実務が行えるようになります。本講座で、プレス加工を学び、一歩深い知識を手に入れてみてはいかがでしょうか。

学習目標

  • プレス機械の種類およびしくみ、プレスに使われる材料の種類・性質・用途、せん断・曲げ・絞り加工のノウハウや安全、金型の設計方法などが身につきます。

教材構成

使用教材

  • テキスト2冊(上・下)
  • レポート(提出回数4回)

著者

  • 高石 和年(東芝ジーイータービンコンポーネンツ(株))
  • 大澤 紀美夫

カリキュラム

No. 主な項目
1 第1章 プレス加工のあらまし

  1. プレス加工とその歴史
  2. プレス作業とその特徴
  3. 金型

第2章 プレス加工用機械

  1. プレス機械のしくみ
    1. フレーム(frame)
    2. ベッド(bed)
    3. スライド(slide)
    4. クランク軸(cranksllaft)
    5. クラッチ(clutch)
  2. プレス機械の用語
  3. いろいろなプレス機械
    1. C形フレームクランクプレス
    2. ストレートサイド形クランクプレス
    3. ストレートサイド形クランクレスプレス
    4. 複勤プレス
    5. ナックルプレス(knuckle press)
    6. リンクプレス(link press)
    7. サーボ駆動式プレス機械
  4. シャーリングマシン(shearing machine)
  5. NCタレットパンチプレス
  6. プレスブレーキ(press brake)

第3章 プレス作業の安全

  1. 事故の事例
  2. 安全作業の重要性
  3. 安全装置
  4. プレス作業の安全原則
    1. 職場の整理整とん
    2. プレス機械の点検整備
    3. 金型の取扱いは、慎重に
    4. 決められた安全具、保護具を使用しよう
    5. 電気器具には、手を触れないこと
2 第4章 プレス加工される材料 -鋼板-

  1. 軟鋼
  2. 熱間圧延軟鋼板および鋼帯
  3. 冷間圧延軟鋼板および鋼帯
  4. 特殊な鉄鋼材料
    1. 高張力冷延鋼板
    2. けい素鋼板(電磁鋼板)
    3. スチールフォイル(steel foil)
  5. 鋼板の重量の計算方法

第5章 プレス加工される材料 -表面処理鋼板・ステンレス鋼板-

  1. 表面処理鋼板
    1. 亜鉛鉄板
    2. ぶりき板
    3. 他の金属被覆鋼板
    4. 塗装鋼板
    5. 塩ビ鋼板
  2. ステンレス鋼板
    1. ステンレス鋼板の性質と特徴
    2. ステンレス鋼の加工上の注意点
    3. ステンレス鋼のJIS規格

第6章 プレス加工される材料 -銅・銅合金-

    1. 銅の物理的性質
    2. 銅の機械的性質とプレス加工上の注意点
  1. 超合金
    1. 銅合金の性質と特徴
    2. 黄銅の加工上の注意点

第7章 プレス加工される材料 -アルミニウム・アルミ合金-

  1. アルミニウムの性質
  2. アルミニウム合金
    1. 耐食アルミニウム
    2. 高力アルミニウム
    3. アルミニウムのプレス加工上の注意点

第8章 材料の加工硬化と方向性

  1. 加工硬化のしくみ
    1. 加工硬化とは
    2. 塑性変形
    3. 加工硬化による性質の変化
  2. 圧延と方向性
    1. 圧延による方向性
    2. 方向性のある板材をプレス加工するときの注意点
  3. 焼なましと再結晶
    1. 焼なまし
    2. 再結晶
    3. 再結晶温度

第9章 金型とその取扱い

  1. 金型の種
  2. 金型の構造
    1. ポンチとダイス
    2. ダイセット
    3. 板押え
    4. パッキングプレート
    5. しわ押え
  3. 金型材料
    1. 炭素工具鋼
    2. 合金工具鋼
    3. 高速度工具鋼
    4. 超硬合金
  4. 金型の取扱いの注意事項
    1. 作業前の注意事項
    2. 金型の取付け準備
    3. 型の取付けは順序正し
    4. 型の調整は慎重に
    5. プレス作業中
    6. 型の取外し
3 第10章 せん断加工

  1. せん断加工のあらまし
    1. 打抜き(blanking:ブランキング)
    2. 穴あけ(punching:穴抜き、パンチング、ピアシング)
    3. せん断(狭義)(shearing:シャーリング)
    4. 縁取り(trimming:トリミング)
    5. シェービング(shaving:縁仕上げ)
    6. ブローチ削り(broaching:ブローチング)
  2. せん断のしくみ
  3. クリアランスの大きさ
  4. せん断切り口の形状
    1. せん断面
    2. だれ
    3. 破断面
    4. かえり(burr:ばり)
  5. せん断に要する力
  6. シャー角
  7. ダイス逃げ角
  8. 板取り(stock layout)

第11章 せん断工具(打抜き型)

  1. 打抜き型の各部の名称
  2. 打抜き型の種類
    1. 穴抜き型(piercing die)
    2. 切込み型(lancing die:切欠き型)
    3. せん断型(parting die:切り型、切断型)
    4. 外形抜き型(blanking die)
    5. 突切り抜き型(diking die)
    6. 送り抜き型(progressive die:順送り型)
    7. 総抜き型(compound die)
  3. その他の抜き型
    1. シェービング型(shaving die)
    2. 仕上げ抜き型(finish blanking die)
    3. 割り型(sectional die)
    4. 簡易型

第12章 精密せん断

  1. 精密せん断のあらまし
  2. 精密せん断加工の種類
    1. シェービング(shaving:縁仕上げ)
    2. 仕上げ抜き法(finish blanking)
    3. 精密打抜き法(fine blanking)
    4. 対向ダイスせん断法
    5. 上下抜き法(upper and lower blanking process)

第13章 曲げ加工法

  1. 曲げ加工のあらまし
    1. プレス型による曲げ
    2. 折たたみ機による曲げ
    3. ロール曲げ
  2. 曲げ加工で問題となる点
    1. 最小曲げ半径
    2. スプリングバック(spring back)
    3. そり
    4. 曲げと材料の方向性
  3. 展開長さ
    1. 中立面基準法
    2. 外側寸法加算法
  4. 曲げに要する力
    1. V形自由曲げ(V-free bending)
    2. V形衝突曲げ(V-bottoming bend)

第14章 曲げ用金型

  1. V曲げ型(V-die)
    1. V曲げの要点
    2. V曲げ型の種類
    3. プレスブレーキのV曲げ型
  2. U曲げ型(U-bending die)
    1. U曲げの要点
    2. スプリングバックを防ぐ方法
  3. その他の曲げ型(一般型)
    1. ハット曲げ型
    2. 角度の異なる曲げ型
    3. Z曲げ型
    4. 多重曲げ型
  4. 特殊な曲げ型
    1. 複動曲げ型
    2. カム曲げ型
    3. 管丸め型
4 第15章 絞り加工

  1. 絞り現象
  2. 絞りに要する力
  3. 絞り型の特徴
    1. 肩の丸み
    2. 型のすき間
  4. ブランクの大きさ
    1. 円筒絞りのブランク
    2. 角形絞りのブランク
  5. 絞り率(絞り比)
  6. 潤滑について

第16章 絞り型

  1. 普通絞り型
    1. しわ押えのない絞り型
    2. しわ押え付き絞り型の
  2. 再絞り型
    1. しわ押えのない再絞り型
    2. しわ押え付き再絞り型
    3. 逆再絞り型
  3. 複合絞り型
    1. 抜き絞り型
    2. 絞り縁切り型
  4. ゴムを利用した絞り
    1. ゲーリン法(Guerin process)
    2. マーホーム法(marforming)
    3. バルジカロエ法(bulging:ふくらませ加工法)
  5. 液圧を利用した絞り
    1. 液圧バルジ加工(hydro bulging)
    2. 対向液圧成形
    3. ハイドロホーム法(hydro forming)

第17章 成形加工

  1. フランジング(franging)
    1. ゲーリン法によるフランジング
    2. 金型によるフランジング
  2. カーリング(curling)
  3. ビーデイング(beading:紐出し)
  4. 穴フランジ成形
  5. その他の成形
    1. エンポシング(embossing:段付け)
    2. コイニング(coining:圧印、型打ち)

第18章 ひずみ取り加工

  1. ひずみ取りの種類
  2. ローラによるひずみ取り
  3. プレスによるひずみ取り
    1. 平面ならし
    2. 七子目ならし

第19章 鍛造加工

  1. 鍛造(forging)の特徴
    1. 鍛造の目的
    2. 鍛造の長所・短所
  2. 鍛造の種類
    1. 加熱温度による分類
    2. 変形の仕方による分類
    3. 鍛造工具による分類
  3. 鍛造での材料の変形の仕方
    1. 自由鍛造(free forging)での材料の変形
    2. 型鍛造での材料の変形
    3. 据込み鍛造での材料の変形
  4. 材料取り
    1. フラッシュ重量(frash weight)
    2. つかみ代(tonghold)
    3. スプルー(sprue)
    4. スケール損失(scale loss)
    5. 切断による損失
  5. 鍛造型(forging dies)
  6. 鍛造機械
    1. ハンマ
    2. 機械プレス
    3. 水圧プレス
    4. 高速鍛造機

第20章 プレス加工の自動化

  1. 自動化の目的
    1. プレス加工のコスト
    2. 自動化の利点
    3. 自動化を進めるうえでの問題点
  2. 順送り加工とトランスファ加工
    1. 順送り加工
    2. トランスファ加工
  3. 自動化装置の実際
    1. ロールフイード(roll feed)付き順送りプレス
    2. ブランキングライン(blanking line)
    3. 高速自動プレス
    4. トランスファプレス(transfer press)
    5. トランスファプレスライン
    6. ロボットによるトランスファプレスライン
  4. コンピュータによる全自動化