初級技術者のための「プラスチック材料と成形品設計」

一般受講料: 23,100 円

特別受講料: 20,900 円

講座コード:M26

受講期間:3ヶ月

難易度:初級レベル

プラスチック材料の基本の理解と、成形品設計の基本等の学習。

プラスチック成形品設計初級技術者を養成!

プラスチックは、開発されてわずか百数十年ですが、いまや鉄鋼をしのぐ有用素材として、自動車、電子機器、日用品に至るまで、あらゆる分野で利用されています。また、今後もさらなる発展が期待されています。

その最大の理由は、立体製品を従来素材の数十倍の速さで製作できる抜群の加工性にあります。その効率は、成形品設計の優劣によって決まります。

プラスチックの種類は数多く、一言で表現できません。強い・弱い、硬い・柔らかい、透明・不透明、水より軽い・重いなどいろいろあります。成形品設計をするには、まずプラスチック材料の種類、特徴の知識が必要です。

本講座は、使用目的にあった材料選択ができるよう、まずそれらの理解を求め、それから成形品設計の基本、実務例等を取り上げ学習して、プラスチック成形品設計初級技術者を養成します。

学習目標

  • プラスチックに造詣がなくても入りやすく、また、講座の内容を消化すれば一定レベルのプラスチック成形品設計の技術者になれます。
  • 「プラスチックの名称は知っていても中味はどうも」という方でも、相応の知識が吸収できます。
  • プラスチック材料を系統的につかめるようになります。他素材との比較も行えます。設計者の視野が広がるような内容です。

初級技術者のための「プラスチック材料と成形品設計」の関連講座

教材構成

使用教材

  • テキスト2冊
  • レポート(提出回数3回)

編集

  • 深沢 勇(深沢技術士事務所)
  • 井ノ口由記(山下電気(株))

カリキュラム

No. 主な項目
1 第1章 プラスチック成形の基礎

  1. プラスチックのあらまし
    1. プラスチックとは
    2. 素材としてのプラスチックの地位
      1. 鉄とプラスチック
      2. プラスチックが伸びたわけ
    3. プラスチックの化学
      1. 高分子の分類
      2. プラスチックの原料化学
      3. 重合反応(Polymerization)
    4. プラスチックの分類
      1. プラスチックの呼び名
      2. 熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック
  2. プラスチック成形とは
    1. プラスチック成形の3段階
    2. プラスチック成形のいろいろ
      1. 圧縮成形法(Compression molding)
      2. 射出成形法(Injection molding)
      3. 押出成形法(Extrusion molding)
      4. ブロー成形性(Blow molding)
      5. 熱成形法(Thermo formmg)
      6. カレンダー加工(Calendering)
      7. 積層成形法(Laminating)
  3. 熱可塑性プラスチックの射出成形のあらまし
    1. 射出成形とは
      1. 射出成形の概略
      2. 射出成形の作業工程
        • コラム1
        • 80対20の法則
      3. 射出成形システム
    2. よい射出成形品を作るには
    3. 射出成形加工の不良について
  4. 射出成形機のあらまし
    1. 射出成形機とは
      1. 射出成形機の大きさ
      2. 射出成形機の地位
    2. 射出成形機の種類と電動式射出成形機
      1. 射出成形機の種類
      2. 電動式射出成形機の特徴
    3. 射出成形機の構造
      1. 射出装置
      2. スクリュー
      3. 型締装置
      4. その他の重要項目
  5. 金型のあらまし
    1. 射出成形用金型とは
      1. 射出成形業界と金型の関係
      2. よい金型の条件
      3. よい金型を作るには
    2. 射出成形用金型の種類と主要な構成部
      1. 射出成形用金型の種類
      2. 主要な構成部
    3. 金型製作プロセス
    4. ITツールについて
      1. ITと金型製作における効果
      2. 金型関連ITと用語およびその概略
2 第2章 熱可塑性プラスチック材料

  1. 熱可塑性プラスチック材料の分類・現状とその用途
    1. 熱可塑性プラスチックの分類
    2. 汎用プラスチックの現状とその用途
      1. 汎用プラスチックの現状
      2. 汎用プラスチックの用途
    3. 汎用エンプラの現状とその用途
      1. 汎用エンプラの現状
      2. 汎用エンプラの用途
    4. スーパーエンプラの現状とその用途
    5. 熱可塑性エラストマーの現状とその用途
      • コラム2
      • プラスチック製品にかかわる法規
  2. それぞれのプラスチック材料の性質について
    1. 汎用プラスチック
      1. ポリエチレン(Polyethylene:PE)
      2. ポリプロピレン(Polypropylene:PP)
      3. ポリスチレン(Polystyrene:PS)
      4. AS樹脂(Styrene-acrylonitrile:SAN)
      5. ABS樹脂(Acrylomtrile-butadiene-styrene:ABS)
      6. メタクリル樹脂(Poly methyl methacrylate:PMMA)
      7. ポリ塩化ビニル(Poly vinyl chloride:PVC)
      8. その他の汎用プラスチック
    2. 汎用エンプラ
      1. ポリアミド(Polyamide:PA)
      2. ポリアセタール(Poly oxymethylene:POM)
      3. ポリカーボネート(Poly carbonate:PC)
      4. 変性ポリブェニレンエーテル(Poly phenylene ether:PPE)
      5. ポリブチレンテレフタレート(Poly butylene terephthalate:PBT)
      6. ポリエチレンテレフタレート(Poly ethylene terephthalatel:PET)
    3. スーパーエンプラ
      1. ポリフェニレンスルフィド(Poly phnylene sulfide:PPS)
      2. ボリアリレート(Polyarylate:PAR)
      3. ポリスルホン(Polysulfone:PSU)
        • ポリエーテルスルホン(Polyethersulfone:PES)
      4. 液晶ポリマー(Liquid-crystal polymer:LCP)
      5. その他のスーパーエンプラ
    4. 熱可塑性エラストマー(Thermo-plastic-elastmer:TPE)
      • コラム3
      • ゴルフと仕事
  3. プラスチック材料の選び方と応用例
    1. プラスチックの特性
      1. プラスチックは基本的には燃えます
      2. クリープ変形が起こります
      3. 有機溶剤に弱いものがあります(耐溶剤性)
      4. 環境により変化(脆弱)します(耐環境性)
      5. 熱に対して変化します(耐熱性)
    2. 日用品、雑貨、軽負荷製品材料の選び方と応用例
      1. 日用品、雑貨、軽負荷製品材料の選び方
      2. 日用品、雑貨、軽負荷製品材料の応用例
    3. 工業用、機能用材料の選び方と応用例
      1. 工業用、機能用材料の選び方
      2. 工業用、機能用材料の応用例
    4. 特殊用材料の選び方と応用例
      1. 特殊用材料の選び方
      2. 特殊用材料の応用例
  4. 材料に関する各種データ
    1. プラスチック生産量の推移
    2. エンプラの特性比較
    3. 熱可塑性プラスチックの性能比較

第3章 プラスチック成形品設計の基礎

  1. 成形品設計をするにあたって
    1. 設計とは
    2. プラスチック成形品設計とは
      1. 使用するプラスチック成形材料について
      2. 成形品に発生するトラブルについて
      3. 金型製作に使用される工作機械について
      4. 二次加工について
    3. よいプラスチック成形品設計とは
  2. プラスチック成形品の精度
    1. 精度の種類
      1. 寸法精度
      2. 形状精度
      3. 機能精度
    2. 成形品の寸法精度を低下させる要因
      1. 寸法精度と金型の関係
      2. 寸法精度と成形条件の関係
      3. 寸法精度と成形材料の関係
      4. 寸法精度と環境条件の関係
    3. 成形品の一般的な寸法精度
3 第3章 プラスチック成形品設計の基礎【続き】
3.成形品設計の基本

  1. ゲートの種類
    1. サイドゲート(標準ゲート)
    2. オーバーラップゲート
    3. ダイレクトゲート
    4. ダブゲート
    5. フイルムゲート
    6. ファンゲート
    7. デイスクゲート
    8. リングゲート
    9. サブマリンゲート(トンネルゲート)
    10. ピンポイントゲート
  2. パーテイングライン(PL)
  3. 肉厚
  4. リブ
    1. リブの反対側に「ひけ」を生じさせない
    2. リブを座屈させない
    3. リブを金型にかみつかせない
  5. ボス
  6. 抜き勾配
  7. アンダーカツト
  8. コーナーアール
  9. シャープエッジ
  10. 組立て(接合)
    1. 埋込み金具(インサート金具)
    2. ポストインサートねじ
  11. 二次加工
    1. スクリーン印刷
    2. パッド印刷
    3. 箔抑印刷(ホットスタンプ)
    4. めっき
    5. 塗装
    6. レーザーマーキング
  12. その他
    1. 電鋳加工
    2. シポ加工
    3. 彫刻加エ
    4. エンドミル加工
    5. 放電加工
    6. 旋盤加工
    7. 研削加工
  • コラム4
  • まず設計在りき

第4章 プラスチック成形品設計の応用

  1. 設計手法(ドラフター製図からCADへ)
    1. ポンチ絵
    2. 図面
      1. 手描きによる製図
      2. コンピュータの支援による製図
    3. ソリツドモデル
  2. CAD/CAM/CAE
    1. CAD(Computer Aided Design)
      1. 2次元CAD
      2. 2.5次元CAD
      3. 3次元CAD
    2. ソリツドモデルの設計で注意すること
      1. 公差
      2. データ交換
    3. CAM(Computer Aided Manufalcturing)
    4. CAE(Computer Aided Engineering)
      1. 充てん(流動)解析
      2. 保圧冷却解析
      3. 繊維配向解析
      4. そり変形解析
      5. 金型冷却解析
      • コラム5
      • 中国の生産現場事情
  3. 成形品設計の事例と解説
    1. 歯車(ギア)の設計
    2. つまみの設計
    3. ねじの設計
    4. カバーの設計
    5. ハウジングの設計
    • S1単位と工学系単位の関係について